読書感想

2002年10月10日
トリイ・ヘイデン
『ヴィーナスという子』

最近新しく出るのは、フィクションが多かったので、久々の感のあるノンフィクション。

でもこれはノンフィクションの中でもとりわけなんていうか、好きな作品になりました。

上手くいかないことがいっぱい書かれているからです。
ベテランのトリイが、同僚と上手くいかない。
ヴィーナスが虐待されていることもなかなか見つけられない。

その描写に、本物の重さがありました。
「あきらめるしかない」子だってたくさんいた、という記述を読んだ時、その傷みを思って泣きました。
でも、こういう書き方をする彼女だからこそ、彼女の本はただのお涙ちょうだいものに終わらないのだと思う。

最後のヴィーナスの言葉は、できすぎのような気もするけど、これは真実だと私は思う。

ある日突然、一生懸命やってきた御褒美が、天から降ってくることもある。
こないこともある。

御褒美をつなぎあわせて、私達は生きている。

そういう意味で、小さな奇跡をわたしは信じているところがある。
・・・神様とかそういうものじゃなく。


・・・だけどどーしてフィクションはつまらないんだろうね?(爆)
思うに、優秀な教育者はあんまり小説家には向いていないのかも(きゃー 

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